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Channel: マルコメの自作大好きドタバタ日記
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811Aシングルパワーアンプ製作 その14

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今日はアンプ作り2日目
細かな手直しをしながら製作を進めていきます。

今日は、ほぼすべての回路が出来上がりました。

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後は入力配線、スピーカーの配線をやっつけます。

疲れたので、今日はここまで。さあ、アルコールタイムです。

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811Aシングルパワーアンプ製作 その15

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最近、忙しくて中々ブログを更新できません。

とは言うものの、夜中に少しずつ時間を割いてアンプの仕上げを行います。

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現状でNFBはおよそ10dB
周波数特性20Hz(-1dB)35KHz(-1dB)
最大出力12.5W(5%)
残留ノイズ0.6mV
DF 2.8(8Ω ON-OFF)

というようなところ。
発熱が大きく、室温上昇が・・・・ これからの季節、辛いものがあります。

気になるのは、NFBを掛けた時の方形波の応答が左右で異なること。
特性をそろえると、左右の初段プレートに挿入している積分補正のコンデンサーの値が2割弱異なります。出力トランスを入れ替えるとこの現象も入れ替わるため、トランスに起因する問題のようにも感じます。もう少し調査をしてみないといけません。

初段こそ6AU6ですが、ドライバー管の1626、出力の直熱3極管811Aと、いずれもST送信管のラインナップ。なかなかのチョイスと思います。(自画自賛!!)

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トリタンのフィラメントの明かりを楽しみながらの音楽鑑賞はなんとも言えません。

ありがとう

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2010年に免疫介在性溶血性貧血(IMHA)を発症して2年。

IMHAという大病も克服して一度は元気になったのですが、心臓の僧帽弁閉鎖不全が悪化して

今日、モコは13歳で旅立ちました。

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(5月12日撮影)

病院からの帰り道、車のシートでまだ暖かい体をさすってやっていると、涙が止まらなくなってしまいました。

この日、ちょうど番組収録の現場入りの1時間前。まだ体の自由が利く時間にちょうど病院からの連絡が

あり、すぐに病院に駆けつけ最期を看取ることができました。

きっと、モコはそんなことまで気を使ってくれたのでしょう。


モコはうちに来て幸せだったのかな? 

ほかの人の所にいたらもっと長生きしたんじゃないかと。

もっと早く病院に連れて行ってあげていれば、助かったかもしれない。

いろんな思いがこみ上げてきました。


これまでに咲いた13本の花

そして咲かせてあげられなかった14本目の花を添えて。

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助けてあげられなくてゴメン。

でも、今まで本当にありがとう。

一緒に過ごした13年10ヶ月 一生忘れることはありません。

(2012年5月26日14時55分 永眠)

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UESUGI UBROS-3 修理

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久しぶりの休日。予定がキャンセルとなり、時間が出来たのでアンプの修理を行いました。

修理するアンプは UESUGI UBROS3 です。

このアンプ、上杉アンプでは結構有名なアンプですが・・・

中身はごらんの通り。

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シャーシ内はゆったりとしていて修理しやすいのですが、何せ1色配線のため回路を追っかけていくのが

めんどくさいです。まあ、シンプルな回路なので追っかけるほどのこともないですが。


さて、このアンプお決まりのトラブルとして、カップリングコンデンサー不良があります。

このアンプも、御多分にもれず、終段のカップリングに使用されているオイルコンが軒並み絶縁不良。

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メガーチェックすると、こりゃ抵抗か?って値です。

そのため、KT88のバイアスが前段のプレート電圧の影響を受けてバラバラ。

プレートが赤熱するとチラッと聞いていて納得です。

全数交換するとしましょう。


続く。

月波間

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気が付けばもう7月。梅雨真っ只中。

今夜は雲もなく、月が綺麗に見えています。

明日が満月。海も穏やかで、水面にきらきらと反射する月明かりが綺麗な夜でした。

こんな瞬間に出会えたことに感謝。

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レガシィ デフマウント補修

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ひさびさのブログ更新です。


レガシィBH5のデフオイルを交換した際発覚したマウント切れ。

この修理をするには、サブフレームを外してブッシュの打ち換え、アライメントの再調整が必要

になるため、結構面倒くさいのです。

暑いし、時間もないため、今回は、仮補修をすることにしました。

と言っても、ブッシュのセンターが保持されるように、防振ゴムを間にかましただけです。

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ブッシュの上側にまずゴムを入れて、デフをジャッキで持ち上げて、下側に隙間を作り下側にも

防振ゴムを入れます。

本当なら、このあと、シリコーンゴムを充填するのですが、今回は出勤前だったため、ここまで。

これだけのことでも、これまでとぜんぜん違います。変な振動が激減です。

この年式の車には、ブッシュ切れという症状は良くあります。皆さんも一度確認してみてください。

811Aシングルパワーアンプ製作 その16 

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久々のブログ更新です。

811Aアンプに若干の変更を行いました。
変更点は次の2点です。

\偉管を5AR4から83へ変更。これに伴い高圧の遅延回路を組み込み
■裡藤造鬟ーバーオールから出力トランス前の出力管プレートからの帰還に変更

です。

,亡悗靴討蓮▲妊競ぅ鹽にST管で統一したかった事と、水銀整流管83を使用してみたかったと言う 単純な理由です。
△亡悗靴討蓮⊇侘魯肇薀鵐垢魎泙瓩織ーバーオールのNFBにすると、現在のトランスでは、高域特性 の暴れがあり、それを補正するために、積分補正、微分補正を行っていましたが、これをどうにかした かった(方形波の特性にも問題があったため。)

まず、水銀整流管83を使用するにあたって、ソケットの交換、及びプリヒート後に高圧を投入するための高圧遅延リレーを組み込みました。

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遅延回路は、もっとも簡単にタイマーICの555を使用しました。部品も抵抗、コンデンサ、ICの3つのみで構成できます。およそ2分のディレータイムとしました。

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そして、今回の一番のポイント、NFBポイントの変更です。
これまで、とりあえず完成としていたものの、出力トランスの2次巻線(SP端子)からのNFBだと、高域特性の暴れがひどく、それを補正していたものの、どうも音質も今一つの感じ。
そこで、思い切って、NFBループから出力トランスをはずしてしまい、出力管のプレートからDCカットコンデンサーを介してのNFBにしてみました。

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プレートからDCカットのコンデンサーを介して初段のカソードに帰還しました。
帰還量はおよそ5dBとしています。
この結果、高域のピークもなく(当然ですがトランスそのものの特性は残りますが)安定しています。
さらに、すべての補正回路をはずしました。
方形波の特性もまずまずとなりました。

完成したアンプの内部です。

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そして、動作中のアンプ。

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夏場は発熱が大きいため、長時間は辛いものがありますが、此れからの季節には最適でしょう。
もう少しヒアリングを行い、細かい追い込みを行います。

829B 真空管アンプ製作記 その22

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829Bアンプのその後です。

前回、完成した段階での問題点を解消してみました。

● 残留ノイズの改善

現象としては、入力ボリウムを絞り切った状態(グリッドをアースに落とした時)は問題ないレベルなのですが、ボリウムを開いていく途中で、出力に接続したミリバルの指示が不安定になります。
シンクロで観測する限り、明らかな発振ではないものの、初段のグリッドに10kの直列抵抗を入れ、さらにグリッドとプレートとの間に10Pのコンデンサーを挿入して、高域の安定度の改善を行いました。

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修正を加えたアンプ部の回路図です。



● スクリーングリッド電圧

これまでは、B電圧から抵抗を通して供給していましたが、100V以上も829Bの規格をオーバーしていました。
そこで、今回はバイアス巻線(ただし35Vしかない)を利用してスクリーン電圧(210V)を作る事にしました。回路的にはコック・クロフトの5倍電圧整流です。

コンデンサー5個とダイオード5個の回路。
正直、こんな事をするのなら、B電圧をレギュレターを通して供給した方が良いのですが、まあ、通常はそれほど電流が流れないので、とりあえず実験的な意味も込めています。
実際、無信号時には220V、最大出力時で200Vをキープしていますので、よしとします。

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タテ型ラグで組み立ててみました。(スクリーングリッドの整流回路と、グリッドバイアス回路)


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電源部の回路図です。

この829Bはビーム管ですが、SGの電圧によって音質もかなり変わってくるようです。
現在の電圧に下げてからは、比較的おとなしい音になっています。
またこのアンプも微調整を行っていきたいと思います。

811Aシングルパワーアンプ製作 その17

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811Aアンプの微調整です。

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先日測定を行っていたところ、初段の6AU6の出力が、以外に早くクリップしている事に気が付き

ました。もう一度、設計の時に引いたロードラインを眺めていて、気が付きました。

よく考えたら当たり前のことですが、交流ロードラインは、等価的に6AU6の後のドライバー管

1626のグリッドリークがと並列となるので、直流で引いたロードラインとは異なってきていました。

とは言うもの、1626のグリッドリークをあまり大きな値にするのも、考え物です。

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とりあえず、これまでの150Kからおよそ2倍の330Kに変更を行い、安定度などの検証を

してみる事にしましょう。


また、811AのフィラメントのDC点灯用の平滑コンデンサーをこれまでの10000uF1本から2本パラ

にして容量を2倍としました。

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これは、残留ノイズの低減というよりも、リプルによって、コンデンサーが発熱する事を避けるためでも

あります。

実測で0.6mVだった残留ノイズが0.4mVに低下した程度です。(フィルターなし)


さて、歪率の特性を記録しておきましたので、参考までに。

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グラフは10Wまでですが、5%の歪率で12Wの出力、10%で14.5Wの出力となっています。

NFBは7dB、プレート電圧410V、プレート電流80mAの動作条件です。

829B 真空管アンプ製作記 その23

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ようやく半田ごてを持つ気力がおきました。

829Bアンプの改造です。

先日、SGの電源をコッククロフトで昇圧したものに変更しました。

ところが、やはり電圧の安定性に問題があり、SG電圧の変動で、最大出力が犠牲になってしまった

ため、B電源から半導体による簡易安定化回路で、安定化することにしました。

高耐圧のPOWER-MOSFETとツェナーを使用した簡単な回路です。

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110V1Wのツェナーを使用して、安定した220Vを取り出しています。

これによってB電源の電圧が変動してもSGの電圧は常に220Vをキープできます。

最大出力の低下もなくなりました。


また、しばらくエージングしていたところ、プレート電流計(実際にはカソードで測定しています。)

が、振り切れるようになりました。

最初は、バイアスの半固定抵抗か?発振か?はたまた球の不良?と原因を探りましたが・・・・・

原因は、カソードに入れていた電流計のシャント抵抗の不良。

どうやら内部の接触不良があったようです。

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手持ちの酸化金属皮膜抵抗に交換してOKとなりました。

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変更後の回路図を載せておきます。

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さて、念のためL/Rのクロストークを測定してみました。

5Hzで-64dB 20Hzで-75.5dB 1KHzで-81dB(測定限界)

5KHzで-78dB 10KHzで-75dB 20KHzで-70dB

とまあまあの値となりました。

さて、このアンプ、いつになったら満足いくものに仕上がるのでしょうか??

10JA5 超3結アンプの製作

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今年も残すところあと1日。あっという間の1年でした。

仕事が忙しくて、なかなかアンプ作りが出来ませんでしたが、昔から作って見たいと思っていたアンプ
Super Triode Connection (超3結)のアンプにトライしてみました。

今回使用することにしたのは『10JA5』という真空管。
オーディオ管で有名?な『50CA10』の弟分みたいな球で、作りも良く似ています。

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どちらも12Pinコンパクトトロンです。
この『10JA5』はプレート損失19Wのテレビ垂直偏向用の5極管です。
垂直偏向管は、もともとリニアリティーが良くないものが多いのですが、なにより外観が50CA10に似ていることと、超3結回路ならば、出力管に強力なPG帰還をかけることが出来るので、良い結果が得られるのではないかと考えたからです。

とは言うものの、ネットで超3結アンプを調べてみると、6BM8(または類似管)による製作が殆どで、超3結回路の確立された設計方法というのは余り目にしたことがありません。

発案者の故上条さんのHPをみて色々考えていたのですが、一番参考になったのは、宇多さんのHPでした。ここには、とても有意義な情報がありました。
まあ、とりあえず製作してみて、細かい部分を煮詰めていく事にして、早速試作してみました。
初段はトランジスターを使用するハイブリッド方式です。特性を取りながら、定数をカットアンドトライしていきます。最終的に次の回路定数で、良好な結果が得られました。

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設計のポイントとしては・・・

まず、出力管の動作ポイントを決定する。(たとえばプレート電圧250V、プレート電流50mA)
そのときに必要なグリッドバイアス電圧に初段のコレクター電圧(動作電圧)として、およそ30V~40V程度を足した電圧がカソード電位となるような出力管のカソード抵抗を選ぶ。
たとえば、50mAのプレート電流で、カソード電圧が60V必要な場合、オームの法則からR=E/Iより、60/0.05=1.2Kとなります。

出力管のスクリーン電圧は、設計値の出力管プレート電流がおよそグリッド電圧-20Vから-30V程度で得られるようにその電圧を調整しておく。
逆に言うとこのくらいのグリッドバイアスで動作する球が使いやすい。

この『下駄』分の電圧30V~40Vとは、出力管のグリッドのドライブ電圧を得るための初段の動作電圧です。バイアスの浅い出力管の場合は、ドライブ電圧を必要としませんので、この電圧はもう少し低くても良いと思います。
しかしながら、(初段の動作電圧)>(出力管グリッドバイアス値)の必要があります。
また、当然B電圧は、このカソード電圧分だけ、高くしておく必要があります。

また、帰還管の動作ポイント(帰還管のカソード抵抗)についてはその値を変化させてどのような影響があるのかを測定してみたいと思います。
おそらく帰還量の変化が発生して、アンプゲインの変化、歪率の変化があるのではないかと思います。


色々調整しながら、試作機を仕上げていきました。

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1号機は現在、米子市のZoojaさんで鳴らしています。


続く。

10JA5 超3結アンプ製作 その2

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皆様、明けましておめでとうございます。
皆様にとって今年一年がすばらしい年でありますように。

さて、昨年末から製作している10JA5超3結アンプの続きです。
一気に製作してしまったので、製作途中の画像があまりありませんが、ご容赦を。

まず、ケース(シャーシ)加工です。

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使用したケースはタカチのYM200という汎用のアルミケースです。
もともと真空管用のケースではありませんが、価格が安い事や、ちょうど手ごろな大きさなので利用しない手はありません。このケースを上下逆さまにして使用しました。
このままでも十分使用可能ですが、私のアンプのトレードマークのグリーンに塗装しました。
また、サイドウッドも広島の木材販売店に寸法を指定して製作してもらいました。材質はホンジュラスマホガニーです。

使用したトランス類の紹介をしておきます。
出力トランスは春日無線の『KA-57B54T』
電源トランスは東栄変成器の『PT-22』

春日無線の出力トランスは、素直な特性で音質もこのクラスとしては良いと思います。
何よりも低域特性がコアサイズの割には良好で、価格を考えると文句ないでしょう。
東栄変成器の電源トランスは、このクラスのアンプを製作するには最適でしょう。このほかの候補としてはノグチトランスのPMC-100でしょうか。

さて、トランスやソケットを取り付けると同時に、ラグ板を取り付けます。
真空管アンプの場合、基盤よりもラグの方が配線しやすく便利です。また、現在は入手困難になりましたが、ネジ止めのラグが両端にあるものがありました。
そこで、カシメを緩めてベークから外し、付け直します


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まず最初に、ヒーターの配線を行います。AC点灯ですので、必ずより合わせて配線します。
ヒーターは6.3Vの巻線を直列にして、12.6Vとします。
10JA5のヒーター規格は10Vですので、12.6Vに3.3Ωのドロッパーを入れておきます。

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このあと、ソケット回り、初段回りを片付けて行きましょう。


続く。

EL36(6CM5) 超3結アンプ製作

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超3結アンプの実験をしています。

前回のテレビ垂直偏向管『10JA5』のアンプで超3結のアンプの音を聞きました。
その勢いで、同じテレビ垂直偏向管で手持ちの『EL36(6CM5)』を使用したアンプを製作して
みました。
おいおい、詳しい記事を追加していきたいと思いますが、とりあえず完成写真から。

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このEL36はプレート損失18Wのトッププレートの5極管です。
外観はトッププレートということを除けば、有名なオーディオ出力管EL34(6CA7)をひと回り小さくしたような感じ。
前回の10JA5の時もそうでしたが、何かに似ているから、と言う事と廉価で販売されている。という理由で採用です。(笑)
高い真空管だけが良い音がするわけではなく、いつかは良い音の真空管にめぐりあえるかもしれません。
こういう球探しの旅もなかなか楽しいものです。


いつものデザイン。いつものカラーリング。
今回、サイドウッドは少し丸みを持たせて柔らかいイメージに。さらにオイルフィニッシュ仕上げとしてみました。

10JA5 超3結アンプ製作 その3

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垂直偏向管『10JA5』アンプです。

取り急ぎ製作してしまったので、いきなり内部の完成画像です。(まだ整線はしていません)

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手持ちのコンデンサーが結構大きめだったため、スペース的には何とかおさまった感じです。

最終的な回路図です。

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次に定数をカットアンドトライして、最終的に測定したグラフです。
まずは周波数特性です。

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次に歪率の値です。

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ちなみにDF(ダンピングファクター)はON-OFF法で、5.6という値です。


実は、このアンプ、最初から安定に動作したわけではなく、やはり色々なトラブルに遭遇しました。
実際にテスト機(1号機)を製作して、感じた事をあげておきたいと思います。


〇 発振には要注意

  最初出力管のグリッドとスクリーングリッドに直列抵抗(300Ω)を入れない状態で動作させてい
ましたが、やはりP-G帰還量が多いせいか寄生発振を起こします。
  これは、バイアスの値などでも変わってきましたが、最初から入れておく必要を感じました。
  なるべく出力管に近いところに挿入する必要があります。

  初段のトランジスターのバイアスをかけていくと、最初は半固定抵抗の変化に対してカソード電位
  の変化は鈍いのですが、回路が動作して、初段トランジスターが定電流動作を始めると、急に変化
  が大きくなるポイントがあります。
  しかし、正常動作をしている限り、半固定抵抗の動きに追従しますが、発振を起こすと、一気に
  カソード電位が跳ね上がるような動作になります。
  ネット上で良く見かける『突然カソードの電位が上昇する』というのは、そのほとんどが発振を起
  こしていると考えられます。

〇 スクリーングリッドの電圧設定は、全体バランスを見ながら

  この超3結回路は、カソードの電圧、帰還管から初段への供給電圧など、色々な部分のバランス
  が取れる事によって正常動作をします。
  初段にパイポーラトランジスターを使用した場合、コレクター電圧が20V~30V位、かつ
  カソード電位が目的の電圧(プレート電流)となるように追い込んで行きます。
  出力管の特性にもよりますが、グリッドバイアス分-25V~-35Vをかさ上げした
  45Vから65V程度が必要です。
  (プレート電流を50mA、カソード抵抗1.2Kとするとおよそ60V)
  このアンプの場合、プレート電流(正確にはプレート電流+スクリーングリッド電流)をおよそ
  40mA~50mA程度の設定にしますので、この条件を満たすようスクリーングリッドの電圧
  を調整します。とは言っても常識的な値はありますが。このアンプではおよそ170~180V
  にしています。

〇 帰還管のカソード抵抗は歪率を見ながら

  帰還管のカソード抵抗は歪率を見ながら調整する事で、最適ポイントに追い込む事が出来ます。
  ただし、帰還量が増えるとゲインが下がります。このあたりは兼ね合いが必要ですが。
  このアンプの組み合わせ(帰還管5755、出力管10JA5)の場合、およそ4.5K~6K
  の間に最適ポイントがありました。

〇 バイアス調整用の半固定抵抗は、必ず最大値から減らす。

  この設定を誤ると、過大電流が流れる可能性があるほかに、半固定抵抗の焼損や、CRDの破壊
  トランジスターの破壊につながります。
  安全を考えるのなら、直列抵抗を入れておいた方が良いでしょう。


 とりあえずこんなところでしょうか。

  続く。

EL36(6CM5) 超3結アンプ製作その2

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EL36超3結アンプです。

今回は10JA5とまったく同じ配置ですので、こちらでシャーシ加工について記載しておきます。
まず、私が使っているCADはフリーソフトの『ARCAD』です。
このソフトで配置を決めて、原寸大の用紙にプリントします。
この紙をケースに貼り付けたものがこの画像です。

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まず、トランスの角穴とACのインレットの穴をカッターでなぞり、後でヤスリがけするときのガイドと
します。さらに穴の中央に、センターポンチを打ちますが、板厚が薄いので、必ず固い当木をしてオートポンチのバネを緩めて打ちます。

後は2.5ミリ程度のドリルで下穴を開けてから、大きなドリルを使用します。
7ミリ以上の穴は、普通のドリルよりも、ステップドリルで開けると、綺麗な穴が開きます。
また、ソケット取り付けの穴はホールソーを使用しますが、必ずオイルを使用して、刃先を冷却しながら
開けないと、綺麗に空きません。
特に、アルミは熱をかけるとすぐに刃先にこびりつきますので。

トランスの角穴は、最初に対角線に切れ目を入れて、三角形を4つ作り、金属疲労を利用して切り取る
(折り取る)とヤスリ掛けをしなくても綺麗に直線に切れてくれます。

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後は、表面を一度磨いて、黒い塗装をある程度はがしてしまいます。
その後、スプレーで塗装します。
スプレーは下地の処理が決手です。出来るだけ綺麗に磨きます。

気温が低いときには、スプレー缶をお湯につけて暖め、内部のガス圧を高めておくと綺麗に塗る事が出来ます。そして、完全に乾燥してから、極細目のコンパウンドで磨くと、綺麗に仕上がります。

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その後、部品を取り付けて行きます。
配線用のラグ板は、ソケットの足、トランスの取り付けボルトと共締めします。

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せっかくの塗装に傷を付けることの無いように気をつけて組み立てて行きましょう。

とりあえずここまで。

続く。

6GB7超3結アンプの製作

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ここのところ、テレビの偏向管を利用したアンプを製作しています。

偏向間の特徴として、低いプレート電圧で電流が流れる事。つまり、真空管の内部抵抗が低いことでしょう。超3結の回路では、初段と出力段を直結としている関係で、カソード電位を高くとるので、どうしてもB電圧の利用率が低くなります。
こんな回路では、このような特徴を持つ球が結構向いているような気がします。

先日仕上げたEL36(6CM5)のアンプですが、音の傾向として少しハイ寄りのエネルギーバランスに聞こえます。その代わり、DFは8以上と結構な数値が得られています。
但し、スピーカーにもよりますが、私のところにある604だと。少し過制動に聞こえます。

さて、今日は、同じく偏向管で日本製の6GB7を使用してみる事にしました。
EL36とほぼ同等条件で使用できそうなので、とりあえず差し替えて見ることにしました。
少しプレートが流れるので(といっても5mA程度)そのまま使えそうです。

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このミニアンプには、このずんぐりとした球のほうがにあいますね。

ところで、トッププレートの真空管、直径6ミリのタイプは袴が付いていて、キャップを被せてもこの袴部分が露出します。

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感電の危険性があるので、私は内径8.8ミリのテフロンOリングを被せています。
白いOリングがそうですが、赤い方のOリングはフッ素ゴムのOリング。値段が倍半分違います。
どちらも一応耐熱のものですが、安全性を見込んで、テフロンを使用しました。


さて、歪率や周波数特性は、10JA5やEL36とほぼ同等です。
DFは7.3となり、10JA5の5.8、EL36の8.6の中間くらいです。
音質はEL36に比べて厚みのある音に感じます。

しばらくこれで視聴してみましょう。

809 パワーアンプ

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以前このブログにも紹介しました直熱3極送信管『811A』

それなりに聞けるアンプだったのですが、いかんせんヒーターが大食い(6.3V 4A)のため
電源トランスがかなり発熱していました。
何とかしたいと考えていたとき、ふと目に留まったのが今回ご紹介する真空管『809』です。

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『811』と『809』 共に同じ形状で、直熱3極管、Ep-Ip特性も良く似ています。
大きな違いは、ヒーター電力とミューです。

ヒーターは811Aの6.3V4Aに対して6.3V2.2Aとほぼ半分。
ミューは811Aの160に対して50
但し最大プレート損失は811の45Wに対して25Wとなっています。
少し最大パワーは落ちますが、長時間安定して聞けるアンプにするには、811Aよりも809の
方がよさそうです。

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ダイナミックカップルで製作したため、ドライバー1626のプレート抵抗を取り替えて、プレート電流が最大定格を超えない60mA程度になるよう再調整しました。
最大パワーは8.5W程度となりましたが、一般家庭で聞くには十分な値でしょう。
数時間通電していますが、トランスの発熱はかなり少なくなりました。

しばらくこれで聞いてみたいと思います。

809パワーアンプ その2

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809アンプです。

前回のブログで、ダイレクトカップルのプレート電圧を調整して動作点を追い込みましたが、改めて測定をしてみると、クリッピングが早く、歪率も悪化しています。
改めてロードラインを確認してみて納得。

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809のグリッドバイアスは811の25V位に対して13V程度と浅くなります。
このため、ドライバー管のグリッドのスイングが正電圧の領域を使わなければ、必要な振幅を得る事が出来ず、出力管をドライブできない状態です。
つまり、初段がドライバー管のグリッドをスイングできず、当然カソード側の振幅も取れない事になります。(ドライバー管の動作は、ほぼカソードホロワーと等価・・・・と思っている。)

ただ、この動作点は、出力管809の動作点で縛られているため、自由に選ぶことが出来ません。
さらに悪い事にドライバー管の1626のプレート損失が小さいため、あまり設計に幅が無いのです。

そこで、これまでどおり、出力管のグリッド電位を24V程度として(すなわちドライバー管の動作点を-24Vとする)出力管のカソードに11V程度下駄を履かせて、見かけ上のバイアスをあわせてしまう方法です。
さらに、少しでも歪率を改善するため、ドライバー管のカソードに入れたチョークに流れる電流を調整して、ドライバー管に電流を流して使用するようにしました。
改めて、ロードラインを引いて確認しました。
さらに、プレート電流が減ったため、出力管の負荷インピーダンスを少し上げて5kとしました。

最終的には、この手書きの回路図のような動作となりました。

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これで、5W程度までは、歪率1%  歪率3%で10Wの出力を得る事が出来ました。

詳しいデータはまた次の機会に。

しばらく視聴してみます。

6BG6G超3結パワーアンプ

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6BG6G超3結パワーアンプです。
6BG6BはもともとL6系の球を水平偏向用に改良されたものです。
特性表で見る限り、オーディオ用としても使いやすく、Epの低い部分のうねりも少ないようです。
ロシア製のペアを安値で仕入れたので、これで実験してみます。
ST管スタイルのこの球、真空管らしいと思うのですが、皆さんはどうでしょうか?

トランスは、いつもの通り、出力トランスに春日無線のKA-54B57T、パワートランスには東栄変成器のPT22を使用しています。
動作はプレート負荷5K、Ep=Esg=230V(カソード電位を引いています。)
Ip=50mAです。
最大出力は4W+4W

今回は、スクリーン電圧をドロップさせていないので、いつものツェナー回路をつけていません。

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いつもの小型シャーシに納めて見ました。

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サイドウッドがまだできていません。少し球とシャーシとのバランスが取れていません。
帰還管をMT管ではなく6SL7などにした方がよいかもしれませんね。
でも、音は結構いい感じです。

超3結のアンプは出力管の固有の音が出にくいといわれますが、どうやらそんなことも無く、球それぞれの特徴があります。

このアンプはしばらく米子市のZoojaで聞く事が出来ますので、興味のある方はどうぞ。

EL34(6CA7)超3結アンプ

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いまさらではありますが、ここで一度純オーディオ管『EL34/6CA7』を使用した超3結アンプ
の実験を行いました。これまで、テレビ用の廉価な水平、垂直偏向管をセレクトしておりましたが、原点
に立ち返る意味でのヒアリング実験です。

6CA7も最近では各社作っていますが、今回使用したのはエレハモ(EH)のEL34です。
何故この球か?
それはEL34の中でも安い。という理由のみ。
以前(20年位前でしょうか?)中国、ロシアなどが真空管の再生産を始めた頃は、製造ノウハウがまだまだなかったためか真空管の品質が悪く、音以前に物理的に使い物にならなかったという事がありました。事実私もこれまで、そのような真空管は避けてきましたが、最近になって製造技術も向上したせいか、その品質の向上には目を見張るものがあります。
確かに、音の差はあるにせよ、価格差ほどの音質差は無いと思います。

イメージ 1


今回の動作電圧の設定は次の通りです。

カソード電圧 53V 
カソード電流(正確にはIp+Isg) 53mA
プレート電圧 280V(実質プレート電圧は227V)
スクリーン電圧 270V(実質スクリーングリッド電圧217V)
プレート負荷インピーダンス 6K(1次は3K、2次は4Ω巻線に8Ω負荷)

で動作させています。

周波数特性は、トランスのインダクタンスが小さいため低域がだら下がり気味です。
(といっても20Hzで-0.6dB at1W)
歪は最低が0.15% at0.3W  1% at2.8W  5% at3.5W
この球のDFはかなり高くON-OFF法で8.1となっています。

ヒアリングでは、どちらかというと端正な感じ。
すっきりとした音ですが、それなりに厚みもあります。

さすがにオーディオ管ですから、音も特性も良いのですが、どうも私の耳には合わない感じです。
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